ニュースレター

2015.02.27

インドネシアの幼稚園に砂場を!

日本では、幼稚園や公園に砂場がある光景は当たり前ですが、ここインドネシアには砂場の文化がないのでほとんどの幼稚園や公園には砂場がありません。

他国の経営や、海外のプログラムやカリキュラムを基にしている幼稚園には砂場が設置されている幼稚園もあります。

また、友人の施設で個人的に砂場を設置していたのを見たこともあります。

  

また日本では当たり前・・・と最初に書きましたが、日本でも最近では衛生面・安全面の問題で砂場を設置していない幼稚園や公園が増えていると聞きます。とても、残念なことです。

というのは、私自身砂場の効用とでもいえる、子どもたちが育って行く過程での大事な要素を育てる力を備えている遊具の一つと感じていたので、どの子どもにもその砂場で遊べる年代の間に、思う存分砂場での遊びを体験して成長して行ってほしいと願っているからです。

 

 私自身子育ての時期を終わってすでに長い年月が過ぎてしまいましたが、J2netの活動を通してインドネシアの子どもたちと関わるようになり、あらためて子どもについて、そして当たり前のことですが子どもを育てる事の大事さや、子どもを育てて行く上で子どもに与えたい良い図書や遊具、道具や教材に関心を持つようになりました。

インドネシアの子どもたちもきっと砂場で遊んだら楽しんでくれるだろうと思い、どうすれば良いかを模索しておりました。

  どこにでも・・・というわけにもいかず、まずどこへ・・・そしてどのように・・・と数年の間、あれこれ迷っておりました。

そんな矢先J2netが設立された当初から関わりのあったNGO アウリアの中心的存在だったスタッフの一人がご主人と協力して幼稚園を開園すると聞きました。2012年の事です。

 主人のご家族の土地だったのか兄弟の家なども周りにあり、環境としては良い場所だったのでしょう。

家の裏に当たる場所に幼稚園は出来ました。

教室が3つ。年代別に3クラス。園庭も段差があるものの、ある程度の広さを持っています。

開園に先立ってオープンハウスにはJ2netメンバーも招待を受け、集まった入園希望の子どもたちと手遊びなどをして遊びました。

開園してからも、人形劇グループの公演などで訪問しています。

  まず、砂場がどのようなものであるかを先生方に説明し、子どもの成長にたくさんの利点がある事を伝えました。

そして日本人学校幼稚部に見学の許可をいただき、実際に子どもたちが砂場で遊ぶ姿を見てもらいました。

先生たちは見学の目的だった砂場はもとより、日本の幼稚園を見て私は先生たちからの質問責めにあいました。笑) 

おそらくその一回の見学では砂場の意味や効果など迄は、分からなかったのではないかと思いますが、その後ある企業からの支援もあり、砂場をその幼稚園に設置することが決まりました。

砂場を作るノウハウはインターネットや図書からの情報を集め、また帰国の際には幼児教育に関わっている友人を訪ね、砂場の見学やインタビューを行い、砂場設置への準備を進めました。

 ジャカルタでは材料を探し回りました。

  そうして、今年ようやく念願の砂場第一号が出来上がりました。訪ねると子どもたちは裸足になって砂場に座り込んでいます。先生が30分ね。と言って始めてもあっという間に1時間⁉ 子どもたちは出たがらないのだそうです。うれしい悲鳴ですね。 

 

子どもたちは最初何をして良いかわからない感じもありました。なかなか砂に入らない子どももいました。

でも数ヶ月経った今では入れなかったその子ども、お団子をたくさん作ってお水を汲んで来ては「Aku tukang bakso!」(僕はバッソ屋さん)と言って、おいしい団子スープを作ってくれま 

その向こうでは男の子2人が砂をトラックに乗せては運び土木作業に熱中し、反対側では女の子達がプリンやお団子を作ってお料理に夢中になっています。

    

 まだまだ、先生たちの理解は充分ではないかもしれませんが、ここでの子どもたちの様子を見てそこから学ぶことも大事なことです。それが出来るのも砂場というほどほどに子どもたちを自由に遊ばせて、観察できる場所であるからこそなのではないでしょうか。

 そして、早くも嬉しい効果がもうひとつ。多動症の男の子がいて、教室では数分じっとしているのも難しいらしいのですが、砂場に入って夢中になっていると数十分の間出ようとしないそうです。集中しているのですね。

実は「Tukang Bakso」の団子スープ屋さんです。笑)

 子どもたちと一緒に先生も私たちもひとつひとつ学びながら、新しい世界を子どもたちのためにさらに広げられたらと思っています。

子どもたちがこの砂場から、自由な子どもになって育って飛び立って行くことを願っています。

 そして、この成果が良いものと理解されるようになり、インドネシアにも砂場を増やして行かれたら嬉しいです。

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